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渡辺 めぐみ; 高橋 秀明*
JAERI-M 93-165, 56 Pages, 1993/09
本研究では、同時言語報告法の妥当性の主要な問題である言語化の影響について、課題遂行過程の変化を詳細に分析できる指標を用いて実証的に検討し、EricssonとSimonの言語化の影響の予測について再考した。課題には短期記憶内の情報形態が言語的なものと空間的なものの2種類を用いた。空間的課題では問題の難易度による言語化の影響の違いも検討された。遂行時間への影響の結果はEricssonらの予測と一致したが、遂行内容への影響の結果は彼らの予測とは異なっていた。両課題とも言語化により内容の変化が生じ、空間的課題の難易度の高い問題では、遂行内容がよくなることが示された。Ericssonらの言語化のモデルでは、課題の難易度と言語報告の役割の関係について考慮されておらず、適切な課題の難易度についての規定もないため、彼らのモデルから正確に言語化の影響を予測することは難しいことが示唆された。